2019年07月26日
浄土宗における葬式の形態について書き記します。その特徴は、当たり前ですが、お寺で粛々と葬儀が行われるということに尽きます。お寺の堂内に集った僧侶と参列者が全員で南無阿弥陀仏と唱えながら、天国へ旅立たれていった故人の冥福をお祈りします。
今の日本では一番多いのがこの葬儀の形態ではないでしょうか。浄土宗は鎌倉時代に誕生した仏教ですが、庶民を救済するための宗教として、世間の注目を集めました。昔は宗教と言えば上流社会のものであったのですが、鎌倉時代を境にして、それは一般庶民の間に幅広く普及しました。
その伝統が今の世に至るまで受け継がれているものと推察されます。教祖は法然です。これは、毎日毎日、南無阿弥陀仏という念仏を唱えることによって、我々一般民衆は極楽浄土に旅立てると言う非常に簡単で教えです。この簡単な教えが、世間に大きく受けたわけではないかと推察されます。
今でもその思想は色濃く残っています。それで巷には、今でも、南無阿弥陀仏を一心に唱える仏教信者が多いと言うことになります。その御本尊は阿弥陀如来です。葬儀の席で僧侶と参列者たちは、一緒になって、南無阿弥陀仏の念仏を唱えることにより、故人が速やかに天国に旅立つことができるというのが、浄土宗における基本的な考えてとなっています。